執筆者:KiyoリハビリPROS
理学療法士 清塚顕
監修:白庭病院 副院長
川田和弘
多くの方が知らないリハビリの重要性
「なんでパーキンソン病にリハビリが重要なの?」
当施設に来られたお客様の多くの方がこの質問をお尋ねになられます。今までリハビリとは無縁の生活を送ってこられた方が多いので、重要性にピンとこられておられない方が多いです。しかし実はこの問い、非常に大切なんです。この答えをしっかりと理解していただくことが身体を守る第一歩になります。
パーキンソン病の治療として、長い間薬物療法が大きな柱だったのですが、最近ではそれに加えて自分自身で身体を動かし、より積極的に自らの身体に働きかけていく事が大切だと言われています。それがリハビリなのです。薬だけでなく、リハビリもいっしょに行う事で身体に良い影響を及ぼす事が期待できます。

運動症状の進行を遅らせる可能性
なぜリハビリが重要なのでしょうか?近年のパーキンソン病とリハビリの関係を調べた研究では、「リハビリはパーキンソン病の運動症状の進行を防ぐ可能性がある」<引用:(1)(2)>と言われており、その可能性が注目されています。
パーキンソン病は何もしなければ運動症状という身体を動き難くする症状が緩やかに進み、身体の動きが小さく動きにくくなります。リハビリにはこの運動症状の進行を緩やかにする可能性があり、しっかりリハビリをする事が治療効果を下支えして、長期間に渡って良い状態を維持していく大きな力になるのです。薬以外にも身体を良い状態へと変えていく方法があるというこの研究報告、私にはささやかだけど大きな希望に思えます。受け身で症状に身を任せるではなく、自ら動いて身体の眠っている力を引き出し、身体を良い方向へと変化させていく。これをやらない手はありません。
<引用文献>
- Frazzitta G, Maestri R, Bertotti G, Riboldazzi G, Boveri N, Perini M, Uccellini D, Turla M, Comi C, Pezzoli G, Ghilardi MF. Intensive rehabilitation treatment in early Parkinson’s disease: a randomized pilot study with a 2-year follow-up. Neurorehabil Neural
- Hortobágyi T, Sipos D, Borbély G, Áfra G, Reichardt-Varga E, Sántha G, Nieboer W, Tamási K, Tollár J. Detraining Slows and Maintenance Training Over 6 Years Halts Parkinsonian Symptoms-Progression. Front Neurol. 2021 Nov 19;12:737726. doi: 10.3389/fneur.2021.737726. PMID: 34867721; PMCID: PMC8641297.