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~パーキンソン病の為のトレーニングプログラム~    LSVT-BIGについて

2025/05/28

執筆者:KiyoリハビリPROS 

    理学療法士 清塚顕

監修:白庭病院 副院長

   川田和弘

LSVT-BIGとは

LSVT-BIG。この治療法を聞いた事があるという方や、実際に経験したことのある方もけっこういるのではないでしょうか?LSVT-BIGはアメリカで開発されたパーキンソン病の運動症状に対するトレーニング法です。これからリハビリを開始するという方には最初におすすめしたい方法です。一体どんなトレーニングなのか簡単に特徴を説明します。

非常に明確なトレーニングの目的

パーキンソン病の場合、ご自身でも気が付かないうちに身体の動きがゆっくりした動作になりがちで小さくなっています。LSVT-BIGの最大の特徴は、パーキンソン病特有の身体の動きの小ささに対し、「身体の動きを大きくする」という明確なトレーニング目標を立て「大きい動作を、集中的に、しっかりとした負荷で行う」点にあります。そしてこのトレーニングが今までの自分自身で動きの小ささに気づくきっかけになるでしょう。自分で気がつけるから大きな動きを心がけることができるようになるのです。この気づきと修正のサイクルを何回も行う事が、LSVT-BIGの核となります。この方法はパーキンソン病で低下しやすい脳の神経機能をしっかりと使うための、合理的な方法です。

覚えてしまえば毎日できる内容

LSVT-BIGは非常にシンプルな7つの基本型から成っており、難しい動きではなく誰でもできる内容です。この基本形を覚える事で、慣れれば自主トレとしても行っていただけます。ただし注意点として、非常にシンプルな動きだからこそ、適当にやっても何となくできた感じになってしまします。それでは効果が得られません。必ずLSVTglobalが認定した専門家に指導してもってください。

自分の弱点と課題を織り込む!

このLSVT-BIGをやってみると分かると思いますが、今まで自分でも気が付かなかった苦手な動きがでてきます。それは一人一人にとって違うのですが、「どういった動きのパターンが苦手なのか」この弱点分析が大切です。専門家との最初のカウンセリングの段階でご自身の弱点や、今後の課題を織り込んだトレーニングプランを作成してもらい、LSVT-BIGを開始してください。この専門家のコーチングはあなたの力を引き出していくために大きな助けになるでしょう。最初は難しそうに見える動きでも、トレーニングを進めればきっとダイナミックで大きな動きを実践できるようになるはずです。是非チャレンジしてみてください。

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